04年海兵隊訓練公開に立ち会って


別海町議会議員 中村忠士

七月三十日、午前十時から、マスコミ関係や関係自治体職員と議員を対象に訓練が公開されました。

職員・議員一行(30人ほど)は、10時ちょうどに自衛隊廠舎(中西別)からバスで発射地点に向かいました。(マスコミ関係者は逆に着弾観測地から視察を開始)

廠舎から15分ほど離れた「幕舎台」と名づけられた地点でした。草原に6門の155ミリ榴弾砲が並んでいましたが、実際に使用していたのはそのうちの5門でした。5門の一斉射撃などが公開されました。

ここでの説明にあたったのは、サミエル・スタッタード中佐(大隊長)でした。スタッタード大隊長は、現在の発射地点から着弾地まで13〜14キロメートルの距離があること、通信やコンピューターを使ってすばやく砲撃するしくみなどについて参加者にていねいに説明しました。彼はまた、演習場が大変広いため砲座の移動を含め貴重な訓練ができるなど、矢臼別演習場の「利点」を強調しました。

発射地点での説明を聞いたあと、20分ほど西側に移動して着弾地の様子を見ました。着弾地から3キロメートル離れた地点に観測する場所があり、そこでの視察となりました。着弾観測地での説明には、バリー少佐(副大隊長)があたりました。

榴弾のほかに発煙弾の射撃も公開されました。煙幕によって「敵」の目をくらますのが発煙弾の役割です。説明では、一発の発煙弾で50メートル四方に煙幕がはれるそうです。

バリー少佐は、参加者の質問に答えて、演習中ほとんどの隊員は野外で寝起きしている、宿舎に泊るよりその方が好きだ、夜間も砲座の移動や暗視ゴーグルを付けての移動訓練を行う、標的の50メートル以内に着弾すると「当り」と判断しそれ以外は「はずれ」と判断する…などと述べました。

また、NBC攻撃に備えるため防護マスクを着用しての訓練を行っていることも明らかにしました。

このほか、説明や質疑、あるいは現地を見て気づいたことを列記します。

・スタッタードは川瀬さんの存在(演習場内に民間人が居住しており、その安全を最重視しなければならないこと)についてはよく知らないようでした。

・「地域住民は夜間訓練の中止を要望していることを知っているか」と聞くと、「懸念については理解しているが、各自治体に理解を求め我々の使命を果たしている。」とバリー少佐は返答しましたが、苦い顔をしていました。彼らの弱点になっていると思いました。

・着弾地点の木や草が剥ぎ取られ、裸地がかなり拡大されているように感じました